一言で答えると「公式には全部NG、でも実際の挙動は違う」です
「Geminiはどこまで書いてくれるのか」この疑問に、はっきり答えます。
公式方針では、露骨な性的コンテンツは禁止されています。 Googleの生成AI使用禁止ポリシーに明記されており、例外規定はありません。
しかし実際に使うと、通る場面があります。 同じような内容でも、通ったり止まったりします。
この差こそが「どこまで」の答えです。 禁止されているのに通ることがあるのはなぜか。何が結果を分けているのか。
この記事では、センシティブ判定の仕組みと、性的表現の可否を分けている5つの要素を整理します。「こう書けば通る」という話ではなく、どこに線があるのかの話です。
まず、センシティブ判定の仕組みを押さえてください
ここを理解すると、挙動の説明がつきます。
判定は「確率」で行われています
最も重要な点です。
Geminiは、内容の深刻さではなく「有害カテゴリに属する確率」で判定しています。
「この表現は何点の悪さか」ではなく、「これは有害カテゴリに属する可能性が何%か」という見積もりです。そしてしきい値を超えるとブロックされます。
つまり判定は、単語の有無ではありません。 禁止ワードのリストと照合しているわけではないので、「この言葉を使えば止まる」という単純な対応関係は存在しません。
出力中も監視されています
もう一つの特徴です。
入力段階だけでなく、文章を出力している最中にも判定が行われます。
途中まで書いて急に止まる、という挙動を経験した方は多いはずです。あれは入口を通過した後、出来上がりつつある文章を見て止まっている状態です。
ウェブ版には調整項目がほぼありません
よく誤解される部分です。
Gemini APIには安全設定のしきい値を指定する仕組みがあり、公式ドキュメントには「しきい値が設定されていない場合、Gemini 2.5および3系モデルのデフォルトのブロックしきい値はOffです」と記載されています。
ただしこれはAPI・AI Studioといった開発者向け環境の話です。 通常のウェブ版・アプリ版には、ユーザーが安全設定を触る項目はほぼ用意されていません。
「設定を変えれば緩くなる」という情報は、一般ユーザーの画面には当てはまりません。
境界線①:年齢(絶対に越えられません)
ここから5つの境界線を見ていきます。最初の3つは調整や工夫の余地がない線です。
未成年に関わる性的表現は、全モデルで完全に禁止されています。
公式に明記されているのは、児童の安全に関わる保護は全モデルで常時有効であり、設定で変更できないという点です。モデルを変えても、環境を変えても、一切動きません。
「成人設定」と書けば回避できるものではありません
ここが最も重要です。
年齢の数字を書けば通る、という仕組みではありません。 次のような要素が含まれていれば、設定年齢に関わらず判定対象になります。
- 外見が幼いことを示す描写
- 体型が未成熟であることを示す描写
- 制服・学生服などの要素
- 「学生」「○年生」といった属性
そしてここは、アカウント停止で済む領域ではありません。 通報・法的責任の問題に直結します。
この線は「どこまでか」を探る対象ではありません。 一切近づかないでください。
境界線②:実在の人物(絶対に越えられません)
実在する人物を対象にした性的な内容も、完全に禁止です。
名誉毀損・肖像権の侵害に直結します。芸能人、配信者、知人——対象が誰であっても同じです。
また、実在性の高い写実的な表現については、販売プラットフォーム側でも隠蔽処理の有無にかかわらず登録不可とされています。DLsiteは「写実的なAI生成イラストを含む作品は取り扱い不可」と明記しています。
作れたとしても、出す場所がありません。
境界線③:同意(越えると、売れなくなります)
3つ目は、見落とされやすい線です。
非同意を前提とした内容は、主要な販売プラットフォームで明確に禁止されています。
- FANZA同人 — 販売倫理規定でレイプ等を禁止項目として明記
- pixiv FANBOX — 「実際に被害者がいる懸念を払拭できない表現」として禁止
- DLsite — 審査対象
問題は、AIが自発的に書いてしまうことです
当サイトで検証したところ、Geminiの出力に「拒否の言葉が発された後、そのまま場面が進行する」描写が含まれていました。
誰も指示していません。AIが定型表現として自動的に書きました。
生成が通ったことと、販売できることは別です。 出力をそのまま商品にすると、審査で引っかかる可能性があります。必ず自分で読んで確認してください。
境界線④:文脈の総量(同じ内容でも結果が変わります)
ここからは、同じ内容でも結果を分ける要素です。
会話が長くなるほど、通りにくくなります。
なぜそうなるのか
チャットでは毎ターン、それまでの会話履歴がまとめて再送されています。つまり判定の対象は、最新の一文ではなく会話全体です。
ここで、先ほどの「確率で判定している」という仕組みが効いてきます。
1往復ごとの表現が軽くても、20往復、30往復と積み上がれば、文脈全体としての確率は上がっていきます。そしてある時点でしきい値を越える。
越えた瞬間に挙動が変わるので、体感は「急に厳しくなった」になります。
断られた履歴も積み上がります
さらに厄介な点があります。
一度断られると、その拒否文も会話履歴に残ります。
次のターン、モデルは「直前に自分がこれを断った」という文脈を読んで応答します。そして言語モデルは、文脈の続きとして自然なものを出力します。断っている文脈では、断るのが自然な続きです。
言い換えて粘るほど、拒否の実例が積み上がって不利になります。
切り分け方
原因の判定は簡単です。
新しいチャットを開いて、同じ内容を投げてみてください。
- 通った → 文脈の蓄積が原因です
- 通らない → 内容そのものが線を越えています
この1手間で、無駄な試行錯誤をかなり減らせます。
境界線⑤:モデルと環境
5つ目です。
公式ドキュメント上、モデル階層ごとに安全基準が分けられているという記載は確認できません。 しきい値のデフォルトは世代単位で規定されており、「Flash-Liteは緩い、Proは厳しい」といった公式な根拠はありません。
ただし、実際に触ると体感は変わります。
当サイトで検証した範囲では、即答型のモデルほど素直に通り、熟考型のモデルほど手前で止まる傾向がありました。実際、最軽量のFlash-Liteで試したところ、ChatGPTの最新モデルより踏み込んだ出力が返ってきています。
これは体感であり、公式仕様ではありません。考えられる理由は、熟考するモデルは応答前に内部で検討の工程を踏むため、自己点検の機会が多いという点です。
基準が違うのではなく、同じ基準に対する解釈の精度が違う——これが現時点で最も筋の通る見方です。
「通った」は「許された」ではありません
ここは必ず押さえてください。
生成が通ったことは、規約上認められたことを意味しません。
Googleの方針では露骨な性的コンテンツは禁止されています。通ったのは、判定が確率ベースで、しきい値を越えなかったからにすぎません。
そしてアカウント停止のリスクは残ります。頻度としては稀ですが、ゼロではありません。Geminiのアカウントが止まると、Googleアカウント全体に影響が及ぶ可能性もあります。
この領域で使い続けるなら、そのリスクを承知の上で判断してください。
止まったときに、やってはいけないこと
最後に実務的な話です。
言い換えて何度も投げ直すのは避けてください。
境界線④で説明したとおり、拒否の履歴が積み上がって、かえって通りにくくなります。常習的な違反と見なされるリスクもあります。
2〜3回で通らなければ、そのチャットではもう通りません。 言い換えを続けるより、新しいチャットで試すか、内容そのものを見直すほうが合理的です。
境界線のまとめ
| 境界線 | 性質 | 調整の余地 |
|---|---|---|
| ①年齢 | 絶対線 | なし(常時有効・変更不可) |
| ②実在の人物 | 絶対線 | なし |
| ③同意 | 絶対線に近い | 生成は通ることがあるが販売不可 |
| ④文脈の総量 | 変動要因 | チャットを分ければ改善 |
| ⑤モデルと環境 | 変動要因 | 体感差あり(公式根拠はなし) |
①〜③は、どう工夫しても越えられません。 ④⑤は、同じ内容でも結果が変わる要素です。
出力の質を上げたい方へ
ここまでは「どこまで通るか」の話でした。
実際に使っていると、通るかどうかより「出てきた文章が薄い」という問題にぶつかるほうが多いはずです。そしてそれは、モデルではなく指示の出し方で決まります。
その部分について、当サイトでは実際に使っている指示文を1冊にまとめています。
『Geminiで官能小説を書く方法完全版』(2,980円)
薄い文章になる原因と解消手順、垢BAN対策、実際の指示文の組み立て方を収録しています。
まとめ
- 性的表現は公式に禁止されています。それでも通ることがあるのは、判定が確率ベースだからです
- センシティブ判定は**深刻度ではなく「有害カテゴリに属する確率」**で行われ、出力中も監視されています
- ウェブ版には安全設定の調整項目がほぼありません。設定変更の話はAPI・AI Studioの話です
- 境界線①年齢 — 全モデル常時有効・変更不可。「成人設定」と書いても、外見や属性の描写が該当すれば対象です
- 境界線②実在の人物 — 名誉毀損・肖像権。写実的表現は販売先でも登録不可です
- 境界線③同意 — AIが自発的に非同意描写を書くことがあります。生成が通っても販売できません
- 境界線④文脈の総量 — 会話が長いほど確率が積み上がります。断られた履歴も残るので、粘るほど不利です
- 境界線⑤モデルと環境 — 公式に階層差の記載はありませんが、即答型ほど通りやすい体感があります
- 通ったことは、許されたことではありません。 アカウント停止のリスクは残ります
- 止まったら、新しいチャットで試す。同じチャットで言い換えを繰り返さないでください
仕様は頻繁に変更されます。この記事は2026年10月時点の内容ですので、最新の仕様は公式でご確認ください。


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