個人でアプリ開発・運営は儲かる?稼げる?結論「ほぼ無理」な理由5選と、それでもやるなら

結論:よほどの才能と運がない限り、個人でアプリで稼ぐのは「激ムズ」です

AIでアプリが作れる時代になり、「自分でアプリを出して稼げないか」と考える人が増えています。

先に結論を書きます。

個人のアプリ開発・運営で稼ぐのは、難易度「激ムズ」です。 作ること自体はAIで簡単になりましたが、稼ぐために必要なのは「作る力」ではありません。集客、運営、費用、そして個人情報の公開、この4つの壁が、作った後に待っています。

しかも、企業が何億円もかけて出したスマホゲームでさえ、3年以内に8割以上がサービスを終了しています。個人が同じ土俵に立って勝てる確率は、正直に言って、かなり低いです。

この記事では、

  • なぜ個人でアプリは稼げないのか(理由5つ)
  • アプリの種類(ゲーム・日常ツール・その他)で何が違うか
  • それでもやるなら、どう考えるべきか

を、公開されている調査と公式の仕様をもとに解説します。夢を壊すための記事ではなく、壊れる前に知っておくための記事です。

理由①:集客が絶望的に難しい

一番の壁は、作ることではなく、使ってもらうことです。

App StoreにもGoogle Playにも、すでに数百万のアプリがあります。新しいアプリを出しても、検索に出てこない、ランキングに載らない、誰にも気づかれないのが普通です。「出せば誰かが見つけてくれる」は、起きません。

アプリの種類によって、難しさの質が違います。

ゲーム

一番きつい分野です。 競合は、何億円もかけてキャラクターやイベントを作り続ける企業です。個人のゲームが並んでも、画面の作り込み、運営の頻度、広告の量で勝負になりません。無料ゲームが当たり前なので、課金してもらうには「課金したくなる仕組み」まで自分で設計する必要があります。

日常系ツール(メモ、家計簿、タイマーなど)

無料が当たり前の分野です。 しかも、OSの標準機能や大手の無料アプリがすでにあります。「少し便利」程度の差では、わざわざ乗り換えてもらえません。広告で稼ごうにも、ツール系は1人あたりの利用時間が短く、広告収入は小さくなります。

その他(特定の趣味、特定の仕事向けなど)

唯一、個人に可能性がある分野です。 「この趣味の人だけが欲しい」「この業種の人だけが困っている」という狭い需要なら、大手が参入しません。ただし、その狭い層にどうやって届けるかという問題は残ります。SNSやブログで、その層に向けた発信を先にしていないと、ここでも集客は止まります。

どの種類でも、「アプリを作る前に、客を集める手段を持っているか」が、稼げるかどうかを決めます。

理由②:企業でさえ、1年でピーク、3年で8割が終了する

「個人だから無理」ではなく、企業でも無理な人が多いという事実を見てください。

英国と米国のゲーム開発者500人を対象にしたSuperScale社の調査(2023年)では、

  • リリースから3年以内に、83%のモバイルゲームが終了
  • 開発途中で43%が頓挫
  • 収益のピークはほとんどが1年目。2年目に1年目の利益を維持できたゲームはわずか4%
  • 7年後も運営されているゲームは5%

という結果が出ています。スマホゲームは、出してから1年以内が勝負で、半数近くはその間に終わっていく世界です。

日本でも、帝国データバンクの2026年8月の調査で、スマホゲーム事業者の倒産が2026年1〜7月で10件と、過去最多のペースになっています。過去5年の倒産29件のうち、半数以上(51.7%)が資本金1,000万円未満の小さな会社でした。開発費の高騰、運営コスト、海外企業との競争が理由です。

企業が社員を抱えて専業でやっても、この結果です。 個人が片手間で同じ土俵に立つことの意味を、ここで一度考えてください。

理由③:集客できても、運営が個人の手に負えない

仮に運よくユーザーが付いたとします。そこからが、本当の地獄です。

セキュリティ

ユーザーのデータを預かるアプリは、不正アクセス、情報漏えい、不正利用への対応が必要です。個人情報を扱うなら、個人情報保護法の義務もかかります。漏えいが起きたとき、個人には賠償も謝罪対応も重すぎます。

お問い合わせ対応

ユーザーが増えれば、「動かない」「課金したのに反映されない」「返金して」「バグがある」が毎日届きます。本業がある人は、返事が遅れて低評価が付き、ランキングが落ちる悪循環に入ります。

OSとストアの対応

iOSもAndroidも、毎年大きく更新されます。古いままだと動かなくなり、ストアの審査基準も変わります。「出したら終わり」ではなく、出してからずっと追いかけ続ける必要があります。

法律

有料アプリや課金があれば、特定商取引法の表記が必要になり、ここでも氏名・住所の問題が出ます(理由⑤で詳しく書きます)。

ユーザーが付くほど、運営の負担は増えます。 稼げる段階に入った瞬間、個人の限界が来る、これが「集客できても大変」の意味です。

理由④:費用がかかる

「AIで作れば無料」ではありません。

項目費用
Apple Developer Program年間99ドル(約15,000円)
iOSアプリの開発環境Macが必要(Windowsでは作れません)
Google Play開発者登録25ドル(1回)
Google Playの新規個人アカウント公開前に、一定人数のテスターによる14日間のクローズドテストが必須(2023年11月以降に作ったアカウント。当初20人、現在は12人前後と報告されています)
サーバー・データベースオンライン機能があれば月数百〜数千円〜
広告費集客に使うなら上限なし
AIの利用料本格開発ならClaudeやGeminiの有料プラン

特にGoogle Playのテスター要件は、**「テストしてくれる知人が12人以上いない個人は、そもそも公開できない」**という壁です。これを代行するサービスまで存在するほどです。

稼げるかどうか分からない段階で、年間数万円が固定で出ていく。 これが個人開発の現実です。

理由⑤:ストアに出すなら、個人情報の公開が必須

ここは、ペンネームや匿名で活動している人にとって、最大の壁です。

App Store:本名が「販売元」に表示される

Appleの公式ページには、こう明記されています。

申請者が、個人のデベロッパまたは個人事業主/個人経営者である場合は、正式な個人名がApp Storeで販売元として表示されます。名、姓のいずれの欄にも、別名、ニックネーム、企業名などを入力しないでください。

個人で出すと、App Storeに本名が載ります。 回避するには法人として登録する必要があり、それにはD-U-N-S番号の取得が必要です。「屋号、架空事業名、商号、支店名での登録は認められません」とも書かれています。

Google Play:有料・課金アプリは住所が公開される

Google Playは開発者名を自由に決められますが、有料アプリやアプリ内課金のあるアプリは、物理的な住所の登録が必須で、ストアのアプリページに表示されます。 自宅で開発している人は、自宅の住所が公開されることになります。

特定商取引法

有料で売るなら、特定商取引法に基づく表記として、氏名・住所・連絡先の明示が求められます。ストアの仕様とは別に、法律の側からも個人情報の公開を求められる、ということです。

「稼ぐ」を目指した瞬間に、匿名ではいられなくなる。 個人開発で一番見落とされている壁です。

それでもやるなら:考え方を変える

ここまで読んで「じゃあ無理か」と思った人に、現実的な選択肢を書いておきます。

①「稼ぐ」ではなく「作る経験」を目的にする

AIでアプリを作る経験は、それ自体が資産です。ポートフォリオ、転職、受託の実績——アプリの売上ではなく、作れる自分を売るほうが、個人には現実的です。

②ストアを使わず、ブラウザアプリとして自分のサイトで公開する

ブラウザで動くゲームやツールなら、ストアの費用も、審査も、本名・住所の公開も、テスター要件もありません。 自分のサイトに置くだけで公開できます。当サイトがこの形を選んでいるのは、この理由です。

③狭い層に、先に発信してから作る

「その他」の分野で勝負するなら、アプリを作る前に、その層に向けたブログやSNSで読者を集める。読者がいてから作れば、集客の壁の半分は越えられます。

④収益は「アプリ単体」ではなく、周りで作る

アプリは無料で配り、解説の本、有料の攻略情報、関連するコンテンツで収益を作る。アプリを入口にして、別のところで稼ぐ形です。アプリ単体で稼ぐより、はるかに現実的です。

⑤それでもストアに出すなら、無料・課金なしから

Google Playなら、無料で課金のないアプリは住所の公開要件がかかりません。本名の公開を避けたい人は、まずここから始めてください。

まとめ

  • 個人のアプリ開発で稼ぐのは**「激ムズ」。作ることは簡単になったが、稼ぐ壁は別にある
  • 稼げない理由5選
    • ①集客が絶望的。ゲームは企業と同じ土俵、日常ツールは無料が当たり前、可能性があるのは狭い「その他」だけ
    • ②企業でも3年で83%が終了、収益のピークは1年目。2026年はスマホゲーム事業者の倒産が過去最多ペース
    • ③集客できても運営が地獄。セキュリティ、問い合わせ、OS対応、法律
    • ④費用がかかる。Apple年99ドル、Mac、Google Playのテスター要件
    • ⑤個人情報の公開が必須。App Storeは本名、Google Playは住所(有料・課金時)、特商法でも氏名・住所
  • それでもやるなら、経験を目的にする、ブラウザで自サイト公開、狭い層に先に発信、収益は周りで作る、ストアは無料・課金なしから

この記事は2026年10月時点の公開情報と公式の仕様に基づいています。ストアの要件と費用は変わることがあるので、始める前に必ず公式ページで確認してください。

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