「YouTubeショートやリール、TikTok用に縦動画(9:16)を作りたい。でもPremiere Proのどこから触ればいいの?」そんな迷いをこの記事で解消します。インストール~料金の基本、縦向きシーケンスの作り方、自動で被写体を中心に保つ時短ワザ、最終の書き出し設定までを、初学者向けの言葉で一気通貫。公式ドキュメントも参照しつつ、今日から15~60秒のショートを完成させるための現実的な手順に絞って解説します。
インストール手順と料金の考え方
まずはインストールの全体像です。Premiere ProはAdobeの「Creative Cloud」経由で入れます。流れはシンプルで、
- Adobeアカウントでサインイン →
- Creative Cloudデスクトップアプリを入手 →
- アプリ内の一覧からPremiere Proを[インストール]。公式ヘルプに、ダウンロード~セットアップの手順が簡潔にまとまっています。(Adobeヘルプセンター)
「どのプランを選ぶ?」については、Premiere Pro単体プランとCreative Cloud(複数アプリのセット)の二軸で考えるのが基本。動画編集だけなら単体、PhotoshopやAfter Effectsも使う予定なら“全部入り”が合理的です。価格やキャンペーンは変動するため、最新の料金・プラン構成は必ず公式ページで確認しましょう(学生・教職員向けや期間限定割引、2025年以降のプラン名変更(All Apps → Creative Cloud Pro)なども随時アナウンスされています。)(Adobe, Adobeヘルプセンター)
インストール後にPremiere Proを起動すると、ホーム画面から**[新規プロジェクト]が作れます。ここまで来れば“編集の入口”に立てています。以降は縦動画向けの初期設定**を一緒に進めていきましょう。(Adobeヘルプセンター)
起動→完成まで:縦(9:16)ショートの具体的な作り方
手順A:プロジェクト作成と素材読み込み
- Premiere Proを起動 → [新規プロジェクト]。プロジェクト名と保存先を決め、スマホで撮った動画やBGM、画像などをドラッグ&ドロップで読み込みます。
- 字幕を付ける予定なら、後述のSpeech to Text(自動文字起こし)を使うと効率的。テキストパネルから自動で書き起こして、キャプション化までできます。(Adobeヘルプセンター)
手順B:縦(9:16)のシーケンスを作る
- [ファイル>新規>シーケンス]→[設定]タブでフレームサイズを“横1080 × 縦1920”に設定すると、9:16(縦)のキャンバスが完成します。ピクセル縦横比は正方形のままでOK。これは公式ヘルプにも「フレームサイズを入力して縦横比を決める」と明記されています。(Adobeヘルプセンター)
横動画(16:9)素材しかない?
その場合はAuto Reframe(オートリフレーム)が便利。[シーケンス>Auto Reframe Sequence]から縦向きに変換できます。被写体の動きに合わせて自動でパン/ズームのキーフレームを打ち、中心から外れる問題”を最小化してくれます。動きが速い素材はFaster Motionなどのモードを選ぶと追従性が上がります。(Adobeヘルプセンター)
手順C:タイムライン編集(超基本)
- カット編集:不要部分を剃る感覚でRazor(カミソリ)やショートカットで分割→削除。
- サイズと位置:横素材はエフェクトコントロールのスケール/位置で中心に。被写体の手や文字が切れないよう、上・下の余白に注意。
- テロップ:テキストツール(T)で打ち、プロパティ(新UI)やグラフィックテンプレートからスタイル調整。最新バージョンではEssential Graphicsが統合され、Propertiesパネル中心に編集します。(Adobeヘルプセンター)
- BGM・効果音:音量はクリップゲインやオーディオトラックミキサーで調整。音声が小さいと離脱されやすいので、声>BGMの関係を徹底。
- 自動字幕:[ウィンドウ>テキスト]>[文字起こし]→[キャプション作成]。ショートは無音視聴も多いため可読性が命です。(Adobeヘルプセンター)
手順D:書き出し(H.264/MP4が基本)
- 右上の[書き出し]ワークスペースへ。フォーマット=H.264、プリセット=Match Source –(Adaptive)High Bitrateなどを基点に、フレームサイズが1080×1920(縦)になっているか確認。ハードウェアエンコードが使える環境ならオンにすると速いです。公式ガイドでも、H.264・Match Source系プリセット・ハードウェアエンコードが基礎として紹介されています。(Adobeヘルプセンター, Adobe)
- ビットレートは短尺なら中~高(例:Adaptive High)で十分。音声はAACでOK。縦サイズを維持したまま書き出せば、各SNSにそのまま投稿できます。詳細な各項目の意味は書き出し設定リファレンスも参照を。(Adobeヘルプセンター)
どれくらい時間がかかる?難易度の実感
初回は環境づくり+基本操作の習得に時間がかかります。目安として、
- 最短ケース(カット+テロップ+BGM):45~90分。テンプレ活用&撮って出しに近い素材なら1時間前後で完了。
- 凝るケース(演出テロップ、動きのあるクロップ、数本のBロール差し込み、字幕):2~3時間。Auto Reframeで縦化を時短しつつも、テキスト配置や音量バランスの調整に手間がかかります。
- 慣れてからは、同じフォーマットのテンプレ(縦シーケンスプリセット、テロップスタイル、BGMの音量既定)を用意すると20~40分まで短縮可能。PCスペックが低すぎるとプレビューが重く、体感時間が大きく伸びます。Adobeの公式要件はHD=16GB、4K=32GB以上推奨などの目安を出しています。(Adobeヘルプセンター)
⑤ よくある質問(FAQ)(300字以上)
Q1. 9:16の“正しいサイズ”は?
A. 一般的には1080×1920(フルHD縦)を使えばOK。シーケンス設定で横1080・縦1920にします。新規シーケンスの[設定]→フレームサイズで入力すれば、縦横比は自動で計算されます。(Adobeヘルプセンター)
Q2. 横素材から縦にしたら被写体が切れます。対策は?
A. Auto Reframeを使うと被写体を自動追従。シーケンスに対して一括適用すれば、複数カットもまとめて縦化できます。動きが速い映像はFaster Motionが有効。(Adobeヘルプセンター)
Q3. 何fps(フレームレート)で書き出せばいい?
A. 基本は撮影素材に合わせてMatch(一致)”でOK。公式の書き出しガイドも“フレームレートはソースに合わせるを推奨しています。(Adobe)
Q4. 画質はどこで決まる?“ビットレート”は?
A. H.264での書き出し時、Match Source – Adaptive High/Mediumなどのプリセットが手堅い選択。まずはAdaptive Highから試し、容量が大きすぎるならMediumへ。(Adobeヘルプセンター)
Q5. PCが重い…改善策は?
A. メモリ16GB(4Kは32GB以上)/高速SSD/十分なGPUメモリが目安。ハードウェアエンコードを使える環境ならオンに。必要に応じてMedia Encoderへ送って並行作業するのも効率的です。(Adobeヘルプセンター, Adobe)
Q6. 字幕はどう付ける?
A. Speech to Textで自動文字起こし→キャプション化が可能。[ウィンドウ>テキスト]からすぐ使え、ショートの無音視聴対策に効果大。(Adobeヘルプセンター)
まとめ
縦向きショートは、「縦シーケンス(1080×1920)」→「Auto Reframeで中心キープ」→「テロップ&BGM」→「H.264で書き出し」の4ステップが王道です。最初は1本=1~2時間でも、テンプレ化すれば短縮できます。フレームサイズの指定・フレームレートの一致・ハードウェアエンコードといった外さない基礎だけ押さえれば、今日から投稿できる品質に到達します。次は下記の手順書で、さらに制作速度を上げましょう。(Adobeヘルプセンター, Adobe)
次に読むべき記事(おすすめ)
- 「Premiere Pro:テンプレ化で量産する縦ショートの設計図(スタイル/BGM/字幕の雛形つき)」
- 「Auto Reframeの極意:動き別の最適設定(Default/Faster/Slower)を作っておく」(Adobeヘルプセンター)
- 「書き出しプリセットの作り方:H.264・Adaptive系の使い分けと容量調整」(Adobeヘルプセンター)
参考(公式)
- インストール/開始:Creative CloudからPremiere Proを入手・開始する手順。(Adobeヘルプセンター)
- システム要件:HDはRAM16GB、4Kは32GB以上推奨など。(Adobeヘルプセンター)
- 縦(9:16)シーケンス:フレームサイズを指定して縦横比を決める。(Adobeヘルプセンター)
- Auto Reframe:横素材→縦の自動追従&一括リフレーム。(Adobeヘルプセンター)
- 書き出しの基礎:H.264、Match Source(Adaptive)系、ハードウェアエンコードなど。(Adobe, Adobeヘルプセンター)
コツ:読める字幕と聞こえる音量がショート成功の2本柱。まずは同じ型で3本作り、改善点を1つずつ検証していくと、制作スピードも再生数も伸びやすくなります。


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